Hospital waste

アレックスが絶体絶命の危機に瀕している。

シエラとて、これを見て何も思わなかった訳ではない。

しかし女の身の彼女に一体何が出来るのか。

ましてや丸腰の彼女に。

そう考えて。

「!」

爪先に何かが当たる感触。

見れば、アレックスが取り落とした拳銃がシエラの足元にまで転がって来ていた。

彼女は迷わずそれを拾い上げる。

問題はこの後だ。

アレックスに投げ渡す?

いや、どう見たってアレックスは取り込み中だ。

投げ渡した所で、拳銃を受け取る事さえできまい。

なら。

シエラはMARK23を両手でしっかりと握り締める。

「な、何よ、簡単じゃない。引き金引けばいいんでしょ?」

独り言のように呟くシエラ。

だが、シエラは射撃などまともにやった事がない。

撃ったはいいが、もしアレックスに当たったらどうする?

「…い、犬に咬み殺されるより女の子に撃ち殺される方がマシでしょ!」

訳の分からぬ理屈と共に、シエラは一気にトリガーを引き絞る!