前傾姿勢で唸り声を上げる三つ首の犬。

いつ飛び掛かって来てもおかしくはない。

対するアレックスは銃口を向けたまま、三つ首の犬を見据える。

先に発砲するのは得策でないと考えていた。

初弾を万が一回避されれば、後手に回る事になるかもしれない。

ドーベルマンの体を持つ俊敏であろう三つ首の犬に、それは致命的に思えた。

両者、しばしの睨み合いの末。

「!!」

三つ首の犬が先に動いた!

一直線に突進してくる三つ首の犬。

下水の水飛沫を上げながら、牙を剥いて襲いかかる!

アレックスは正面からの攻撃に対して、一発発砲!

しかし、三つ首の犬は想像を絶する反射速度でこれを躱し、すぐさま軌道修正してアレックスに飛び掛かる!