Hospital waste

愛用のハンディカムを片手に、アレックスは町の中を歩き出す。

昼間だというのに、通りには誰もいない。

まるでアレックスを拒絶しているかのように、商店さえもシャッターを閉める。

埃っぽい熱い風が吹き抜ける中、アレックスは一人だった。

これではゴーストタウンだ。

どこからか、蝿か、蜂か、虫の羽音が聞こえる。

その音だけが響く静寂の町。

不気味さが漂う。

…いいね、悪くない。

不敵に笑みさえ浮かべて、アレックスは町の中を歩いた。

如何にも『何かある』といった空気。

そうでなくては。

暴いてやる。

この町に潜む『何か』を。

それが社会が決して許す事のない、法で裁けぬ悪ならば猶の事。