彼はシエラやあの細い男と違い、体格がいい。

ダストシュートにもギリギリ体が入るかどうかといった感じだ。

上手く下まで滑り降りられるかどうか。

万が一途中で詰まってしまったら、戻るも進むも出来ずに死を迎えてしまうかもしれない。

無事に下りられる保証はない。

その事に不安がよぎったりもしたが。

「っ!いたぞ!」

煙幕が晴れ、看護師達がアレックスに気付いた。

もう迷っている暇はない。

駆け寄ってくる看護師達。

その腕が伸び、摑まれる前に。

「くっ!」

アレックスはダストシュートに滑り込んだ!