Hospital waste

音を立てず、ゆっくりと廊下に出る。

消灯時間なのか、普段から灯りはつけられていないのか。

廊下は暗闇に包まれている。

時折フラッシュのように差し込む閃光は雷光か。

それで現在が夜だという事を知る。

「随分と長く気を失ってたからね、貴方」

アレックスの背中に手を当てたまま、シエラが言う。

そうやって触れていてくれた方が、背後に存在を感じられていい。

頼もしいように見えるが、アレックスとて人の子だ。

何がいるのか分からない、こんな夜の病院は怖かった。

ブーツの音を立てないように、一歩一歩慎重に踏み出す。

靴のソールと廊下が擦れて、思わぬ足音を立ててしまいかねない。

静寂の病院では、酷く音が響く。

それだけは気を付けなければならなかった。

何も持っていないアレックス達は、灯りによる視界確保も出来ない。

壁に手を付け、それに沿って進むしかなかった。