Hospital waste

救えないのは一体どちらか。

ハンディカムを持つアレックスの手が、怒りに震える。

「そもそもそんなものを映像に残した所で、世に出回る事はない。私に賛同しないお前達は、ここで死ぬのだからな」

「それはどうかな」

アンドレイの言葉に、アレックスは笑った。

「このハンディカムは今、ネット接続されている。リアルタイムでお前の演説はネット配信されているんだ。お前は生中継で、自分の狂気を世界中にカミングアウトしている」

「な…に…?」

アンドレイの顔色が変わった。

世界的外科医として名を馳せるアンドレイの、裏の顔。

人命を救うその手で、人体実験を繰り返し、賛同する者しか救わないという医師にあるまじき思想。

彼はその黒い腹の中を、自ら暴露したのだ。

「もう手遅れだ。お前は世界中から糾弾される。メスでもなく、銃でもなく、民意によって」

アレックスはアンドレイをレンズ越しに睨む。

「これがジャーナリストの戦い方だ」