「おい」

動揺から多少立ち直ったのか。

メイソンはアレックスに詰め寄る。

「俺達より幾らか生体兵器の扱いには慣れてるようだが、現場では俺達がメインなんだ。出しゃばって出過ぎた真似をするんじゃない」

メイソンの矛先は、ジョーダンにも向けられる。

「お前もだ。お勉強は出来るようだが、頭でっかちな奴は戦場には要らない。帰ってテストの予習でもしてるんだな」

言いたいだけ言って、メイソンは部屋から出ていく。

「気にするな」

アレックスがジョーダンの肩を叩く。

「初めての生体兵器との戦闘で思うように動けなくて、苛立っているだけだ」

「私は平気ですけど、アレックスさんこそ酷い言い方されて…」

「大丈夫だ」

そう言って、彼は生体兵器の遺体をハンディカムで撮影する。

こんな修羅場でさえ、取材を怠らない。

不謹慎とさえ映る行為だ。