「推測だが」

ウルゲイルが言った。

「アンドレイ個人の仕業ではないんじゃないだろうか。名の知れた外科医で、世界中を回る事があったのならば、医療関係者と接点を持つ事も多かった筈だ。その中で、協力者を得る事が出来たとしたら…」

あのカンディルのような生体兵器のノウハウを得る事も出来るという事か。

アレックスは険しい表情で黙り込む。

話を戻す。

「アレックスさんはフロリダの病院での事件で人型や犬、猫、カラス型の生体兵器とも遭遇しています。それらにカンディル型が寄生していたかどうかは分かりませんが、恐らくカンディル型が寄生する事で、性質の凶暴化、肉体の強化や変貌などが引き起こされるんだと思います」

「つまりジョーダンの見解では、そのカンディル型が全ての母体だと」

ジョーダンの言葉に、ウルゲイルは頷いた。