成程、まともに会話する気はないという訳か。

いよいよこの病院の胡散臭さに拍車がかかってきたと、アレックスは考える。

まあいい。

どうせ正攻法での取材など、端から考えてはいなかった。

真っ当な新聞社の記者辺りと、アレックスを一緒にしない方がいい。

監視カメラの手前、すごすごと引き下がる姿を見せつつ、アレックスは次なる方法を考える。

ズボンのポケットから、メールのプリントアウトしたものを取り出す。

メールによると、病院内での非人道的行為の他、病院内から出されるゴミを収集しに来たゴミ収集業者も被害に遭っているらしい。

ゴミ収集業者が被害?

病院の関係者に暴行を受けたという事か?

ならばそのゴミ置き場に向かってみるか。

アレックスはエントランスを出た。