「遺体が…行方不明?」

アレックスが訝しげな顔をした。

「ああ。俄かに信じ難い話だがな」

マクナイトは腕を組んだ。

「死亡した兵士達の遺体は、確かに本国行きの輸送機に積み込まれた筈なんだがな…先程連絡があり、積み込まれる予定だった遺体数体が、空港に到着していないそうだ」

「……」

何も知らないマクナイトにとっては、不可解極まりない話。

死んだ兵士の遺体を、一体誰が何の為に持ち去るというのか。

持ち去った所で、死した人間など何の利用法もないだろうに。

だが。

アレックスは知っていた。

死体に価値を見い出す男を。

死した肉体を再利用し、その技術を持つ自身を神と嘯く男を。