Hospital waste

その時擦れ違った救急隊員に。

「!?」

アレックスは思わず振り向いた。

「どうした?」

怪訝な顔をしてアレックスを見るマット。

「……」

そんな呼び掛けにも応じぬまま、アレックスは走り去っていく軍用車を見つめる。

担架を担いでいた救急隊員の一人。

長い金髪を後ろで括った、青い瞳の男。

顔はマスクをしていたのではっきり見えなかったが…。

(まさかな…)

頬に汗を伝わらせながら、アレックスは首を横に振る。

もしかしたら、奴もここにいるかもしれない。

そんな風に考えていた。

だが、そんなに簡単に遭遇する筈もない。

きっと思い過ごしであり、見間違いなのだろう。

そう思う事にした。