突然のことで戸惑ってしまう。 突き放さなくてはいけなかった筈なのに。 背中に回された腕を振り払うことができない。 「…小春、髪伸びたね」 抜けてしまった髪はウィッグで誤魔化した。 少し長さが違うのはしょうがないことだったから。 「まあね」