「ぁ…わた、し…」 ―――ダッ…! 私は本当に逃げ出してしまった。 自分から、不安から逃げてしまった。 海斗を置き去りにして。 「はっ?え、小春!?」 図書室を飛び出した私の後ろから海斗の焦ったような声が聞こえる。