手紙は時を駆け抜けて



私は苦笑しつつも、唇をかたく結んで、漏れ出そうな泣き声を堪えた。

泣きじゃくるのはまだ早い。

私にはまだ、一番伝えなくてはならないことが残っている。

歪む視界を手元に向ける。

微笑まずにはいられなかった。

瞳からこぼれ落ちた大粒の涙を、古びた封筒が受け止める。

しわだらけで凸凹で、角は丸くよれきった、みすぼらしいラブレター。

ずっと私のそばにいてくれた、幼い私の書いた手紙……。

私は心を決めて、大きく頷く。

一思いに手紙を引きずり出し、無我夢中で折り紙を始める。

こんなことを始めて、自分でも苦笑いしそうだ。

でも、頭で考えるより先に、手が動いてしまう。

樹の元へ、想いを届けるために。

涙でよくは見えないけれど、指先で一折り一折りするたびに、紙が歌う。