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私の走る道にはもう、青白い光が満ちきっている。

夜を追い越さんと駆ける私の影以外、誰の姿もない。

私の足音だけが激しく床を打つ。

私は歯を食いしばり、走る。

体が風を切り裂いていく。

窓を、壁を、景色全部を後ろへおいやっていく。

今回こそ諦めるもんか。

迷いなんてもうない。

本当の気持ちがつまったかっこわるいラブレターと、私の胸に積んだ想いを、あの場所で待っている大好きな人のところまで、まっすぐに届けるんだ。

壁みたいに上へ伸びる階段も一息に駆けのぼる。

暗闇の頂上にたどり着けば、私は彼の元へとつながるドアを、力強く開け放った。