手紙は時を駆け抜けて



そう、心にふたをした。

「私も混ぜろ~! ぎゃはは!」

「ぐはっ、突撃してくんなよ!」

私は突進して三人まとめてこれでもかと抱きしめた。

嫌がられたり笑われたりしながら抱きしめた私の両腕は、生易しい幸せで溢れていた。

そうだ、ここにみんなの笑顔さえあればもう、これ以上欲張りになることなんてないじゃないか。

たくさんのウソと儚い恋をのせて沈んでいく夕日を、私は視界の片隅で見送っていた。

*・*・*・*・*

私は無意識に、意気地なしのラブレターを彼からの手紙に重ね、手にしていた。

くねくねとしていて不格好であどけない<いつきへ>という文字が私をじっと見つめている。

幼い私が書いた手紙が、今の私を責める。