マシェリ

「えーっ!!ありがとう!!あたし何も用意してない……」


いつも部活の後に少しだけ逢って帰る公園にあたし達は今日もいた。


そしてお決まりのように、いつものベンチに腰を下ろす。


もう家に帰って支度して出かける時間なんてもうなくて、結局いつもと同じパターン。


でも、そんなガッカリさも一瞬で飛んでしまったのは、手の上に置かれた1つのプレゼント。


「開けてみん?」

「うん!!」


小さな箱にラッピングされているリボンをそっとほどいていく。

「あまり高いもんじゃないけど」

「ううん」


開けた瞬間に、数字の❝7❞というネックレスが入っていて、それを手に取れば、自然とニヤけた顔が止まらない。


「貸してみん?」


そっと咲の手にそれを預けると、首につけてくれた。


「ほら見て?」


咲が首にかけてある、数字で❝21❞というネックレスを見せつけてきた。


「えっ?」


「お揃いだよ、ナツキと……」


そう、❝7月21日❞去年あたし達がここの公園でカップルになった日。


❝7❞と❝21❞2人合わせて、あたし達の大切な日。


「すごいっ!!こんなのあるの?」

「うん、探すの苦労したよ」


少し照れくさそうに笑って頭に手を当ててる咲を見て、心から愛おしいと思う。



「本当にありがとう」


「おう、俺たちの結婚式も7月21日にしよう」


えっーーーー?

「う、うんっ!!!」


思いっきり咲に抱き着けば、咲は思いっきり抱きしめ返してくれた。