マシェリ

~高校3年・12月25日~


どれだけ、この日を待ちわびていたことか分からない。

あたし達は2人とも制服で区役所の戸籍課の場所の椅子に座っている。


咲が持っている1枚の紙きれ、この紙切れ1枚で今日からあたし達は夫婦となる。


「25番の方、どうぞ~」


その瞬間、あたし達は顔を見合わせた。


「お願いします」
「お願いします!!」


目の前で確認されていく2人が書いた文字たち……


「おめでとうございます」


区役所の女の人が微笑ましそうにあたし達にそう告げてくれた。


「ありがとうございます!!」
「ありがとうございます」


咲の18歳の誕生日に、あたし達は入籍し、今日から同棲の許しも親たちからいただいた。



「工藤、夏希さん」


咲があたしにそう照れくさそうに言葉にする。


「はい、旦那様♪」

「そして、ハッピーバースデー☆さくっ」


咲の前にバスケットボールのキーホルダーを2つ差し出す。


「これ……」

「そう、あたし達の新居の鍵につけよう!!」


そう、あたし達を繋いでくれたのはバスケ……あたし達の全てが始まったもの。


「ありがとうナツキ……」

「えーーー咲が泣いてる~!!」

「うるっせっ……」

「泣いてる~っ!!!」

涙を拭いた咲はあたしの肩をグッと掴んだ。


「離れていた3年間、これから一緒に少しづつ埋めていこう」

「はいっ!!」


そう、愛、信じる心があれば、必ず繋いでくれる。


咲は約束を破らない人だと、あたしは知っていたから……


だから、待っていられたよ……。