「私が気づいてないと思った?残念。雅人はわかりやすいのよ」

「ごめん……」

「別に謝らなくていいよ。だって私も浮気してるし」


突然の告白に惚ける雅人に、萌はスマホを取りだし、画面を見せつけるように雅人の顔にかざした。

画面には萌と雅人ではない男子生徒のキスプリクラ。

その写真をみた雅人の表情はますます困惑したものへと変わった。


「浮気をするなら、私ぐらい上手に隠さないと」

「おまえ、俺と付き合ってのにどうして……」

「自分のことは棚に上げて置いて私を責めるの?」

「っ……」


萌はクスッと笑うと、スマホを鞄に入れ身を翻した。


「じゃあね、雅人。お幸せに」


萌は教室から出ていく。

教室には呆然とたたずむ雅人と女子生徒だけが取り残された。