「はぁあああ…」



蒼をおいて家に帰ると、私は長く深く息を吐いた。



さっきからずっと火照りっぱなしの頬に、ぱんと両手を当てる。

緊張しまくって反対に冷え切った指先は、ひんやりとして心地よかった。



なんなのよもう…あいつ…。



度重なる蒼の色気攻撃に、私のHPはもう枯渇状態だった。



やたら世話焼いて来るかと思えば、ヘンなこと言ってきたり…

しまいには…



最後のあれ、



なんなのよ…・。





強引に顎を上を向かせる力強い指先。

その感覚が、今もありありと残っている。



思いつめたように見つめてきたあの色っぽい目を思い出しただけで、

今も息が止まりそうになって。



そして、

かすれた声で言ってきた言葉が、耳に焼き付いて離れない。





『…ほら、よく見てみろよ。
おかげで、もうすっかり大きくなったろ』