顔を真っ赤にさせながらも、勝気な黒目は俺をにらんでくる。 「こんなことして、楽しい? 小さい頃の仕返しのつもりなの?」 「は?」 「生意気よ。 蒼のくせに生意気…!」 蓮は俺の腕の下から、するりと逃げだした。 そして、踵を返すとひとりでスタスタと家に向かっていってしまう。 振り向いた拍子に揺れたポニーテールに頬を張られたような気になりながら、俺は立ち尽くした。 なんだよ今の。 仕返し? 生意気って、なんだよ…! ブン… とそこで、スマホのバイブが鳴った。