「今日はおばさんお弁当作ってくれなかったのー??
いつもお重みたいなお弁当持たせてくれてたじゃない?」


「はぁ?」



蒼は器用に片眉を寄せた。



「おまえ忘れてたのかよ。
あの万年新婚夫婦、昨日から海外旅行いってんだろーが」


「あ!」



そうだった…。



実は私と蒼は、家が隣同士の幼なじみ。

蒼のお母さんとも親戚のように仲良くしていて、旅行に行く何日か前にも、

『蒼ってば家事なんにもできないから、よろしくね!』

って言われてたんだった。

…なんか、すっかり忘れてた。



「ま、金は多めに置いていってくれたし、数日くらいどうってことねぇよ」


「んーでも身体に悪いよー育ちざかりなのにー。
…誰か作ってくれる人がいたらいいのにねーぇ」



チラっ