けど、蓮は相変わらずムスリとした表情を浮かべてる。 「なんか上に着て来い」 「着てるじゃん」 「もっと長くて厚いのだ」 「そんなの無いよっ」 これじゃあ過保護な親と子供のやり取りだな…。 けど俺は必死だった。 「ほら。 これ昨日洗濯したばっかだから、羽織れ」 と、俺は持って来ていたスポーツバックをあさると、ジャージの上着を出して、蓮に羽織らせた。 長めのデザインをしているけど、膝上までしか隠れない。 けど、ないよりずっとマシだ。