なんて。
さっきから元気Maxでにぎやかな岳緒くんと、真逆にひんやり冷めている蒼は、私や明姫奈と同じ高校二年生で、バスケ部のチームメイト。
こんなやりとりをしてるけど、事実ふたりはけっこうな仲良しで、絶妙のコンビプレーでバスケ部でも欠かせないエースとして認められている。
「それにしても、岳緒くんのお昼ってそれだけ?
少ないね??」
明姫奈の問いかけに、岳緒くんはニカリと笑ってかぶりを振った。
「や、これ、デザート。
弁当はさっき食い終わった」
「へ、へぇ…さすが食べ盛りだね…」
と、180センチは超える壁みたいな二人を見上げて、引きつった微笑を浮かべる明姫奈。
「そ、蒼くんは?
コンビニ行って来たみたいだけど…まさか、それぜんぶお昼ってわけ…」
「いや、夕方用も入ってる。
今日も部活あるから」
と、おもむろに蒼が広げてみせた袋には、弁当が二個。
加えて、惣菜パン、おにぎりもわんさか…。
「え!これ今日全部食べちゃうの!?」
そのあまりに多さに、思わず声を上げたのは私だ。