蓮に対する感情に気づいたのは小学校高学年ぐらいの頃。
気づいた瞬間、それまでの自分と蓮との関係に愕然とした。
ヘタしたら妹のように思われて、面倒をみてやらなければならないと見下されている自分に、心底焦りを覚えた。
バスケ部に入ったのは、それが原因だ。
とにかく身体をデカくしたかったし、カッコよくなりたかったし。
モテるスポーツだから、意識もしてもらいたかった。
下心だけで始めたバスケは思いのほか楽しくて、今では本気で入れ込んでいるけど。
肝心の本懐は、まったく遂げられずにいる。
蓮はいつまでたっても俺を幼なじみとしか見なくて、気持ちに気づきもしない。
なんにも思うようにいかないまま、時間だけが過ぎている。
蓮はどんどんいい女になって。
ますます俺の心を駆り立てて、追い詰めていく。
いい加減、苦しい。



