「…そんなに羨ましいっすか、先輩」 「は?」 「幼なじみを好きになるのって、そんなに得だと思います?」 「……」 ずっと昔から一緒にいて。 多くの思い出を共有して。 すこし生活環境が変わったって、家に帰ればすぐ会えて。 それが幸せなことだなんて思ったら、えらい勘違いだ。 ふ、と俺は鼻笑った。 「近過ぎてつらい、ってこともあるんすけど」 特に蓮を好きだと気づいてからは。