「別にいいよ。
美保(みほ)ちゃんもご飯はにぎやかに食べる方が好きだし」
「今日も部活あるんだけど」
「なるべく早く帰ってきて。
美保ちゃんが先に帰ってきたら、待たないで食べてるからね」
「ケチ」
「あ、なに?いらないの?」
「いります」
「大丈夫だよきっと。
美保ちゃん最近残業多いから、蒼が帰ってくる時間と重なるかもかもしれないし」
「ふぅん。
おばさん忙しいんだ」
「うん。
ご飯も食べてくることが多いから、最近は私も簡単に済ませてたんだけど…。
今日はあんたが憐れだから、まともなもの作ってあげるわよ」
「なんかムカつくが…
けどサンキュ。
お言葉に甘えてほどこしに預かります」
と、蒼は本当にうれしそうに、柔らかく目を細めた。
「楽しみだな。
蓮の料理、久しぶりだし」
なんて頬杖つきながら言うその微笑、
…ふん、かっこいいじゃない…



