「ごめんね。返そうと思ったんだけど…」



明姫奈はまた付き合ったことを教えた時のようなテンションで大喜びしてくれた。

のはいいんだけど、



「お赤飯炊かなきゃ!」



は余計だぞ…。



「明姫奈、しかも声でかい」


「ごめんごめーん!」



明姫奈は手を合わせると、そのまま、私の耳に耳打ちした。



『どうだったー?痛かったでしょ?』


「う、うん…」



私は昨晩のことを思い出して、頬を赤らめた。



「でもなんか、痛かったけど、それもすごい嬉しくて…
気持ち良かった…」


「もーう!!
蓮ったらぁああ!」



い、痛い…

痛いよ…べしべし叩きすぎ、明姫奈…。



「でも、本当に良かった。
蓮が幸せになってくれて。
蒼くんと仲良くね」


「明姫奈…」



にっこり笑う明姫奈に、私も泣きそうになりながら笑い返した。



「ありがとう」