翌朝。
教室に入るそうそう、明姫奈が私の元に駆け寄ってきてくれた。
「昨日はごめんね、蓮」
「…ううんいいよ。
あれから先輩とはどうしたの?」
「ちゃんと話し合ったよ。
もう大丈夫…。
春からお互い頑張るためにも、残りの学校生活楽しもうね、って約束したよ」
「そっか」
よかった…。
ほっと胸をなでおろした私に、明姫奈は少し大人びた表情で続けた。
「それでね…まだ先の話だけど、私の進路先も堺くんの大学と近い所にしようかなって。
もちろん、ちゃんとやりたいことを見つけた上での選択だけどね。
その点は大きな都市なのが嬉しいかな。
いろんな大学があるから、きっと志望先もいいの見つかるよなって」
そう話す亜希奈の顔は、未来を見据えて晴れ晴れとしていた。
そっか、もう進路まで考えてるんだ。
さすが、明姫奈は大人だな。
「よかった、元気になってくれて。
やっぱり明姫奈は元気が一番だからね」
「えへへっ、でしょ!」
「って自分で言うかなー!」
と笑ったところで、ヒリっとお腹の下に痛みを感じた。
「どしたの?
お腹痛いの?」
「え…?
あ、ううん…」
しまった。
思わずお腹を押さえちゃった…。
「具合悪いの?保健室行く?」
「ううん…ちがうの。
…実は、昨日明姫奈がくれたあれ、使っちゃったから」
「あれ?」
「あれ」
私は手で真四角を作った。
「ええ?
えええええ!!」