蒼は見開いた目のまま器用に眉を寄せて、迷いを見せたけど。



びく…



と寒気を覚えるような鋭い視線で私を射抜いた。



「…じゃあ、いただきます」


「いただく…って…。
私ご馳走じゃないんだか…きゃっ」



不意にふわりと身体が浮いて、お姫様抱っこされた。


「そ、蒼…!?」



蒼は無言で階段を上りはじめた。

行き先は聞かなくてもわかった。



私の部屋だ…。



覚悟を決めて、私は蒼の胸に頬をすりよせた。



固い肌から伝わってくる鼓動は、私と同じくらいに高鳴っていた。





部屋に連れて行かれた私は、

甘い言葉を降りかけられて、

熱く手にトロトロに溶かされて…



美味しく美味しく、いただかれてしまった。





そうして、

今まで以上に

ふたり仲良しになった。