「いいよ言わなくて。
ちゃんとわかってるからさ…」



ううん、と私は温かい胸の中でかぶりをふる。



「言いたいの…。
言わせて…蒼」



私はもうずっとずっと昔からそこにいる、大好きで仕方がない綺麗な顔に向かって、心をこめて、伝えた。





「好き…」



…蒼が好き。



「好き、好き、大好き…」





やっと。

やっと言えた…。





「好き…。
蒼が好きでたまんないよ…。
大好き。好き。好き。す…」



堰を切ったように『好き』が唇から零れて止まらない私を、蒼はきつくきつく抱きしめた。



「そんなに言うな…
俺の身がもたねぇ…」



喘ぐように、蒼は声を震わせて続けた。