まだそんなに遅い時間じゃないから宅急便とかっても考えられるけど…でも、もしかしたら…。



明姫奈も同じ予感を感じたみたい。



「おねがい蓮…。
もし堺くんだったら、いないって言って…?」


「うん…。ちょっと見てくるね」



予感は当たった。

玄関には堺先輩が立っていた。

しかも、



「明姫奈いるって聞いたから、迎えに来た」



もうごまかしがきかない。



私は蒼を見た。

蒼はしれっとした表情を浮かべていた。



「他人の痴話げんかの面倒みている場合じゃないだろ。
さっさと迎えに来てもらうことにした」



そんな…明姫奈はまだ話しできる状態じゃ…。





「帰ってよっ」





突然、頭上から明姫奈の声が聞こえた。

明姫奈が階段の手すりから泣き腫らした顔を出していた。