どうして、逃げてきちゃったんだろう…。



家への帰り道、走って疲れてとぼとぼ歩きながら、私は呆然と思った。



蒼は堂々と宣言してくれたのに。

宣言してもらえて、胸が破裂するくらい嬉しかったのに。

周りにいた部員や女の子たちを目にしたら、居た堪れなくなって逃げてきてしまった…。



それってすごく弱虫だよね…。



『蓮!』



って呼び掛けてきた蒼に振り向いた時、後悔が一気に押し寄せてきた。

でももうどうすることもできなくて、逃げてきてしまった…。





ごめんなさい、蒼…。



勇気が持てなくてごめんなさい…。





どうして…。



どうして私は、

『好き』って気持ちにこんなに憶病なんだろう…。