今蒼は私と付き合ってる。
だから気にする必要なんかないんだ。
またDVD選びに戻ればいい。
もしくは、私も話に参加したっていい。
なのに…
私は意気地なく立ち尽くしたままでいた。
今更だけど、蒼にカノジョがいたって事実が、
胸を深くえぐってじくじくと痛みをあたえる…。
私以外にも、蒼の手にふれられて、
じっと見つめられて、
強く抱き締めてもらった女の子がいたんだな…。
そう考えると、胸を切り裂かれるように、たまらなくつらい…。
なんなの…このイヤな気持ち…。
「でも嬉しいな、蒼くんとアカネがまた仲良く話してるの。
どうして別れちゃったの?
あんなにお似合いだったのに」
「たしか髪をどうとかって、アカネ言ってたよね?」
アカネさんと蒼は困ったように一瞬顔を見合わせた。
「アカネ、髪伸びてイメチェンしたからびっくりしたでしょ?
髪伸ばしたら急にモテだしてさ、今じゃ男子バスケのエースと付き合ってんだよ」
「…へぇ、そうなんだ」
アカネさんはするっとポニーテールをほどくと、どこか挑むような口調で蒼に言った。
「言われた通り伸ばしてみたんだけど、どう?蒼くん。
カレシも伸ばした方が好きって言ってくれてるんだ」
蒼はちょっとぎこちなく微笑んだ。
「そうだな。似合ってるよ」
その顔が、ふとこっちを見て、目を見張った。
私に気づいた。
「蓮…!?」
蒼の声にアカネさんたちも振り返った。
初めて見たアカネさんは、スポーツをやっている人らしく、明るそうな印象をした綺麗な人だった。
がたっ
咄嗟に私は手に持っていた籠をおいて、店から飛び出した。



