私の家は母子家庭。
お父さんは私が小さい頃に亡くなって、まだ働いていたお母さんが、その後バリバリ働きながら育ててくれた。
お母さんの助けになろうと率先して家事を覚えたから、そこいらの同い年の子よりはずっと料理に自信がある。
私の料理を食べたら、きっと男の子なんてイチコロよ。(たぶん)
…なーんて言ったところで、平凡なこの学校生活において、私の料理の味を知っている男の子なんていないけどさ。
ま、別にいいんだ。
たった三年の高校生活。
長い人生に比べたら、あっという間だ。
大人になったら、これを武器に素敵な社会人でも見つけますか。
ふん…恋人なんて。
私は蒼みたいに、部活に恋だってチャラチャラ青春しなくたっていいもん。



