蓮だった。
「どうして…れ」
「顔、真っ赤じゃない!」
蓮は驚くように大声を上げると、スタスタと部屋に入って、唖然としている俺の頬を両手で包んだ。
って、蓮こそ、目が真っ赤だぞ。
ついさっきまで泣いてたみたいに。
もしかして、泣きながらここまで来たのか…?
「あっつ!何度あるのよ!?てか、ちゃんと計ったの!?」
「37.6…」
「うそ!もっとあるでしょ!
ああもう、ちゃんと温かい恰好しなさいよ!」
と、勝手知ったる様子でタンスや押し入れからカーディガンやブランケットを引っ張す蓮。
「ほんっと、来てやって正解。
普段風邪なんかひかないあんたがひとりで治すなんて絶対無理だと思ったら案の定だもん。
肺炎にでもなられたら、『蒼の面倒よろしく』っておばさんに言われた私の立場がないんだから。
…汗は?」
「…かいてない…」
「寒くない?」
「…少し」
「ほんとにもう、そんな薄着で寝込むバカいる!?
ほら、これ着て」
「…はい」
「…それからこれ羽織って…」
とカーディガンを羽織らせようとする蓮の片手を、俺はぎゅっとつかんだ。



