もう…。
明姫奈はなんでも言い合える大親友だけど、こうやってやたらと私と蒼をくっつけたがるのは、困りものなんだよなぁ。
私と蒼が付き合うなんて。
ありえないよ。
だって蒼はただの幼なじみ。
私の頭の中には『へなちょこ蒼ちゃん』の記憶がこびりついていて、簡単には離れないんだもん…。
生意気よ。
泣き虫で、私なしじゃいられなかったくせに。
あんなに大人びてイケメンになってモテモテとか。
だからこうやって気にしちゃうのも、『あのへなちょこが調子に乗ってる』っておもしろくないだけ。
それ以外の感情なんて無い。
ま、半分面白がって言ってるだろう明姫奈には伝わらないだろうけど。
「もーう、そんなむっすりしなくたっていいじゃん。
私はただ、親友の蓮に高校生活をエンジョイしてもらいたいだけで。
だって蓮ってばけっこうな美人なのに、全然春めいた話ないんだもん。
そうやってツンツンしてるから、男が寄ってこないんだよ」
ぐさっ
これは、けっこうキますよ、明姫奈ちゃん…。