蒼とのラインを開いて、



のろのろと打っては消して、消しては打って…を繰り返すのは、たった四文字の言葉。





『ごめんね』





蒼に嫌われたくない。



『ご』 



蒼とまた、楽しく笑いあいたい。



『め』 





そうして途中まで打つけど…





謝って、仮に許してもらって…そうして…



私は蒼の彼女になるの…?





そう考えると戸惑ってしまって、その先が打てなくなってしまう…。





だって、恋する相手が、幼なじみだなんて、思わなかったんだもん…。



頭はまだ混乱していて、気持ちの整理がつかないの…。





でも、身体は蒼の熱を恋しがってる。



唇は、蒼の感触を覚えている。



心は、蒼の想いにほだされている





本能が、



蒼に嫌われたくないって叫んでるの…。





理性と本能。


ふたつにもみくちゃになりながら考えて悩んで、



疲れ果ててしまった私は、スマホを握りしめたままいつしか眠っていた。