はっとなって、私は蒼の身体を押し返した。
「ち…なんだよ…」
「て、停電、なおったみたいだね」
なんて場違いなことを言ってごまかそうとしても、
蒼は驚いた表情を浮かべつつも、押し黙っていた。
けど、そっと手を伸ばした。
「や…!」
びくりと身を縮こまらせてしまう私。
胸には、自分に対して愕然とする鈍い痛みが走っていた。
私…流されるところだった。
あのままでいたら、どうなっちゃってたんだろう…。
そんな私をどこか冷やかな目で見つつ、蒼はゆっくりとソファから起りた。
「拒む理由は?」
「…」
「けっこう気持ちよさそうにしてたのに。
なんで拒む?」
おそるおそる見上げて、私は言葉を失う。
蒼の表情は、怒ったように張りつめていたから。
けど、
すぐにそう思ったのは間違いとわかった。



