ズキズキとした罪悪感は、やり場のない苛立ちを引き起こした。



ムッとした口調で、赤石に返事した。



「悪いけど、私不良とか嫌いだし」


「えー冷たいー」


「あと、そういうチャラい感じも大嫌い。
早く出て行ってよ。
準備が終わらないじゃない」



手を振り払うと、私はまた確認を始めた。



けど、





「きゃ…っ」





ドンっ

と急に突き飛ばされた。

かと思ったら、机の上に押さえ付けられてしまった。



「は、離してっ!!」


「やだー」



すごい力…。

痛くて悲鳴をもらすけれど、むしろ楽しむかのように全然離そうとしない。



蒼にも抑え付けられたけど、男の子ってどうしてこんなに力が強いの…?

びくともしない・・。





怖い…。





煙草臭い口が近付いて来る。



「そういうつれない態度がイイんだよなぁ。
力づくで言うこときかせたくなるっていうかぁ」


「ひ…人呼ぶよ…!
思いっきり叫んでやるんだから」


「やってみれば?
こんな校舎の端っこを通りかかるヤツなんか、いねーだろうけど」


「…!」



両手が片手で押さえつけられて、余った手が、私の脚をさわりと撫でた―――。



いや…!



全身に鳥肌が立つような、嫌悪感に襲われる。



蒼に触られるのと、全然違う。





怖い…

気持ち悪い…!





手はゆっくりと、脚の上へと撫でていく。



いや…もう触らないで…!



嫌だ嫌だ嫌だ。



誰か助けて…!