明姫奈は私と目を合わすのを嫌がるように、うつむきがちに言った。



「悪いけど…
私、今回は蓮の味方になれそうにない。

だって、なにが嫌なの?
幼なじみ同士、付き合ったら家も隣でいつも一緒。
一緒の思い出を持ってて、これからも一緒に作って…。

私には羨ましくしか思えない」





明姫奈…?



どうして、泣きそうな顔してるの…?



なにかあったの…?





けどチャイムが鳴って、私は問い返すチャンスを逸した。



明姫奈は踵を返して席に戻ろうとするけど、くるりと振り返って言った。