前は壁、後ろは蒼。
逃げ場はない…。
「でも、おばさんそんなに心配してなかったろ。
俺がいるからって。
さっき俺に電話くれた時も言ってたぞ。
『蓮のことよろしくね』って」
「…ムカつく…」
「は?」
私は込み上げる怒りにまかせて振り向いた。
「卑怯だよ!
そうやって私だけじゃなくて美保ちゃんまでだまして…最低!!」
「卑怯?
こんなことくらいで最低扱い?」
蒼はたいしてこたえた様子もなく、余裕の微笑を浮かべた。
「俺にすれば、こんなに長い間俺をないがしろにしたおまえの方が最低だと思うんだけど」
「……だって…!」
まさか蒼が私を好きだったなんて…。



