まぁ、言われてみれば…

岳緒くんや友達がワイワイ騒いでいるのを、窓際によしかかって一歩引いて見ている様子は、同い年に見えないような落ち着きがある。

年上からそういう風に見られるのも、解からなくも、ない…。





けど





…なんか、複雑。





「ふん、昔はあんな澄ましたヤツじゃなかったのにな。
もっと小さくて愛らしぃ―くて…」


「はいはいはい。
いっつも後ろをついて回って、
『蓮ちゃん、待って蓮ちゃーん』
だったんだよねー。

ええと、なんだっけ、へんてこ…」


「『へなちょこ蒼ちゃん』」


「そう、へなちょこ!
って、いつ聞いてもかわいそうなあだ名…」


「まぁ、確かに顔がきれいなのは認めるよ?
小さい頃も、色が白くてお人形さんみたいだったし。

泣き虫で甘えん坊でさぁ、とても同い年には思えなくて、妹みたいにかわいがってやったんだよね」


「ぷぷ、覚えてるよー?
前に見せてもらった小さい頃の写真、蓮ってば蒼くんより背が高くって髪の毛はツンツンのベリーショートで…
なんか蓮の方がお兄ちゃんみたいに見えたもんね」


「ああもう、それ言わないでよーっ!忘れたい記憶なんだからっ」