と、気のない返事をしてみたけど。





そういう蒼の評判は、よく知っていた。

だって、意識しないでも入ってくるし。



『ガチャガチャしてない硬派なところがいい』とか

『あの色っぽい目で見られたら一瞬で恋に落ちちゃうー!』とか


笑っちゃうような評判が。





明姫奈と二階に戻ると、先に戻った蒼と岳緒くんが、バスケ部友達と集まって窓際でお昼を食べていた。



岳緒くんを始め、バスケ部はイケてる男の子が多いって評判だけど…

確かに蒼は、その中でも目立ってきれいな顔をしていた。



ニキビひとつない肌やちょっと鋭いくらいの切れ長の目に、長めの黒髪がよく似合っている。

高い背と広い肩幅はいかにもバスケマンってカンジだけど、

不思議とイカつさを感じさせないのは、そんな顔立ちのせいなのか…。



「一年生の時からもモテてたけど、
二年生になってレギュラーになってからはさらに人気急上昇らしくって、
三年生のおねーさま方からも、年下に見えないって高評価なんだって。

もう校内人気ナンバーワンって言ってもいいくらいなんじゃないかな?」


「…ふぅん」