目の腫れも、赤みも、まだひいてない。
これじゃあ、泣いてましたって言ってるようなもんだよ。
あの時、気にする素振りも見せなかった。
平然としていたのに、気づいてたんだ。
泣いていたのに、気づいてた…
『ひなた、ひなた…?』
つないだまま忘れていた携帯から、小さく沙耶の声が聞こえてきた。
「あ、ごめん。」
『ちょっと…、今どこ?』
そう言われ、思わず小さな嘘をついた。
「えっと…体育館の、倉庫のとこ。」
庭園のことは、隠さなくてもみんな知ってる。
だけど、本能的に隠してしまった。
なぜか言いたくなかった。
『わかった、今行く。』
そうして一方的に切れた電話。
私は一息つくと、リュックを背負って倉庫へと向かった。
