「もしもし…」
『あ、やっと出たっ!ちょっと今どこ!!』
いきなり聞こえてきた大きな声。
私は思わず、携帯を耳から遠ざけた。
「え、ちょ、沙耶?」
戸惑いながらそう言うと、ふと記憶がよみがえってきた。
『もう、心配したんだから!あのまま帰ってこないし、電話にもでないし。』
そういえば、私は朝から嫌がらせをされて…
「ごめん沙耶。」
でも、すっかり忘れてた。
なんでだろう。
あんなにショックで、悲しくて、つらかったはずなのに…
すると、パッと思い出した沢田くんの言葉。
--ちょっとは、元気んなったか
--気紛れたならよかったよ
繋がったままの携帯をゆっくりと耳から離し、まさかと思いながらも鏡を手に取った。
そして自分の顔を見た瞬間、私はハッとした。
