「ちょっとは、元気んなったか?」
しばらく空を見上げていたら、いきなりそう言ってきた沢田くん。
私は何のことかと首をかしげてみると、突然フッと吹き出したように笑った。
「え、なに??」
「いや、なんでもない。そんな忘れるくらい気紛れたならよかったよ。」
そう言うと、カバンを持って立ち上がった。
「まあ、何があったか知らないけど、今日は特別この場所譲ってやる。」
そして、携帯をいじりながら歩いていく後ろ姿を、私はポカンとして見ていた。
忘れる…?
気が、紛れる…?
「沢田くん、なんの話してたんだろう。」
そんなことを思いながら、私はまたぼーっと空を見上げた。
すると、突然ベンチに置いていた携帯が、ブーッと鳴り始める。
画面には、沙耶の名前が表示されていた。
