「明日から授業始まるんだから、ちゃんと間に合うように来るんだぞ。」
「はいはーい。」
そう適当な返事をする彼を見て、呆れたように先生はため息をついた。
「俺、席ここ?」
先生が教壇に戻ると、沢田くんはひとつだけ空いていた席にカバンを置いた。
その席は…、私の隣。
隣がいない思ってたら、こうゆうことか。
「まあ、去年俺のクラスのやつも、今年からのやつも、一年間よろしく。」
今日は午前までということもあって、簡単なホームルームで終わった。
廊下には、ぱらぱらと帰り始める人たち。
沙耶が先生に用事を頼まれちゃったから、私は仕方なく教室で待ちぼうけ。
その時私の隣では、ある女の子のグループが沢田くんの席を囲んでいた。
