あれから、教室には戻る気になれず…
庭園のベンチで座り込んでいた。
何度も沙耶からは着信があったけど、まだ一人でいたい気分。
そんな時、側から足音が聞こえてきた。
「は、俺の特等席…」
そしてそんな声がして、顔を向けると立っていたのは沢田くんだった。
「え、なんで…?」
「いや、それこっちのセリフ。」
沢田くんはだるそうにそう言うと、何も言わずに隣へと座ってきた。
たしか、体育祭の時もここに…
いま、特等席って言ってたし、いつもここでサボってたんだ。
「誰もこないし、気に入ってたのになー」
私をじっと見つめながら、そう不満気な顔で言う。
「あ、えと、ごめんなさい…」
これは、どけってことだよね…?
そう思った私は、申し訳なくなって、リュックに手をかけて立ち上がろうとした。
