--えー、沢田くん。彼女を選んだ理由は…
そして恐る恐るマイクを向けると、沢田くんから返ってきた言葉は意外なもの。
「だって、コイツいつも教室で隣にいるし。」
私もみんなもその発言にはポカンとした。
次々にゴールする他の選手たちがかわいそうになるくらい、注目は沢田くんに集まる。
でも、私そんなに隣にいたこと…
そう思って、教室での状況を想像した。
「え、席!?」
私は思うより、声が先に出ていた。
「隣ってその話じゃないの?」
マイクを通して伝わったその会話に、みんなの笑い声が聞こえた。
天然なんだか、イジワルなんだかわからないけど、大あくびをしながらだるそうに1着の旗に向かって歩いていく沢田くん。
そして、私は思った。
こんな人、ちょっとでも気になった自分がバカみたい。
